西洋史の大きな流れ(概説)

①絵画史の大きな流れ(西洋美術史)を概要で言うと

  • Ⅰ 古代     B.C.7C   ~  AD5C      写実
  • Ⅱ 中世     AD6C   ~  AD13C     非写実
  • Ⅲ 近世     AD14C  ~  19C(FH)   写実
  • Ⅳ 近代/現代  19C(SH) ~  21C       非写実

様式を決定付けているのは==>時代の意志・意欲。 芸術意欲(日)、 Kunnst Wollen(ドイツ語)、

決して技術の進化だけではない。むしろ技術は後から付いてくる。

意欲 →→ 技術 の展開である。その意欲を察知することが大切。 背景には時代のリアリティがある。リアリズムが鍵となってくる。

時代のリアリティ ・・・・・=> その時代において何が重要なのか、求められているか?

リアリズム    ・・・・・=> 写実的な表現

 

②各世代の時代にリアリティ

古代  BC 7Cからリアリズムを目指し始めたその時点から美術史が始まる。神の行為を人間が模倣するという意欲が、リアリズムの追及に進んでいく。ギリシャ人は、そのリアリズムをBC2世紀までに完成させた。

BC2c ローマ人はギリシャ人のリアリズムをコピーした。(ローマ時代は、新しい創造の時代ではない)

 

中世  4Cからはキリスト教がローマの宗教となる。キリスト神の解釈に戸惑いがあった。6Cにキリスト教ならではの絵画が出来てくる。アウグスティヌスの「三位一体」思想が、広がる。「キリストは神」そのイメージを知りたい  ・・・・ 「偶像崇拝禁止」との矛盾が生じてくる。その葛藤を鎮めたのは、「教育する」という必要性、すなわち視覚的な素材が求められた。

美術は絶対に必要であるということになった。しかし、そこに条件が設定される

  • ・マル彫りの像は作らない
  • ・平面的な芸術
  • ・神であるとの表現・・神聖化を強調し、背景から現実性を排除する。

時代のリアリティは、リアリズムではなく、アンチ・リアリズム(あえて写実を追及しない)である。

 

近世  人間の再生=リアリズムの再生。扱っている主題は中世と同じだが写実に変化してゆく。アンチ・リアリズムから再度リアリズムへの移行過程が13c~14c初期の時代である。

どうしてリアリズムへ戻ったか? をアッシジとシエナに見ることが出来る。

  • キリスト教 ==人文主義(人間尊重の考え)
  • 聖フランチェスコの存在が大きい。聖フランチェスコは教義を数十年の内に確立した。

その聖人を描くとき 写実的に表現する必然性が生まれた。同時代に生きた人を描く。

後半になって美術の主題が多様化する時代に入る、暫くは、その多様性をリアリズムで表現する。

近代・現代   写真が発明されて写実から離れてゆく 19世紀初頭

マネ 主観的なテーマを描く

 

③中世から近世への移行期をやや詳しく見るには。

主な場所はアッシジ、シエナとなる。